宮崎県延岡出身の幕内力士、琴恵光の応援に行ってきました。
東海宮崎県人会のスポーツ委員会では年4、5回の「東海宮崎県人会ゴルフコンペ」を開催していますが、7月15日の6日目(木曜)には大相撲名古屋場所に宮崎県延岡出身の幕内力士、琴恵光の応援に出かけました。
この日の取り組み相手は栃ノ心で、これまで圧倒的に負けており、応援に駆けつけた24人の会員からも「悪い日に来ちゃったね」と弱気な発言が飛び出していました。
中入りの前に、全力士が土俵入りを行いますが、手作りの「琴恵光」の応援紙を広げると琴恵光が最上段のイス席に陣取った私たちを見たような気がしました。
やがて、取り組みに備えて、琴恵光が入り口付近に姿を現すと、入念なウオーミングアップを始めます。「いつもより、入念じゃない」と相撲好きの会員から声が出ます。なるほど、気合が入っているようにも思えます。
そして、まもなく、私たちは信じられないような感動を味わうことになるのです。
時間が来て、軍配が返りました。その直後です。大柄な栃ノ心を軸にぐるぐると回る琴恵光。まるで、小柄な動物が大きな獲物を倒すように、必死に動き回るのです。
しかし、無念にもつかまります。離れようとしますがなかなかうまくいきません。それでも琴恵光はあきらめません。必死になって逃げようとします。そうして、栃ノ心は琴恵光を土俵際に押し込みました。
もうダメだ! そう思えた土俵際でした。琴恵光が最後の力で耐え、間一髪、土俵を先に割ったのは栃ノ心だったのです。
館内はもう総立ちで、琴恵光に拍手を送ります。引き揚げるときにも、再度大きな拍手が琴恵光に送りました。まだ、中入りの序盤の相撲というのに、おおげさでなく、この日、一番の盛り上がりでした。
琴恵光ファンでなくても、必死な姿に感動してくれたのです。
私たちの応援団の中に何人も目頭を熱くした人がいました。そして口々に「こんな感動が味わえるなんて、思ってもみなかった。来てよかった」と言い合いました。最上階のイス席からの応援でも、琴恵光には私たちの思いが伝わっていたのです。でなければ、あんな必死な相撲が取れるわけはありません。
話にはまだ続きがあります。翌日、NHKテレビで琴恵光の出番がきたとき、解説の北の富士さんがこう言ったのです。「あのね、きのうの琴恵光の相撲見ましたか。僕はね、ここ数年で、一番感動しましたよ。いや、いいすもうだった。すごい粘りだったんだ。地味に見えてやるんだねえ」。そう言うとアナウンサーが「言っててくれたら映像を用意していたんですが」と返す一幕があったほどです。
残念ながらコロナ感染で休場となりましたが、東海宮崎県人会では琴恵光応援も県人会のイベントのひとつとして、来年の名古屋場所も琴恵光健在ならまた応援にでかけます。みなさんも、こぞって参加してください。